いしぷろ日記

「排除」ではなく「共存」のしくみを考える

 「最近の子はコミュニケーション力が低い」「叱られることに慣れていなくて、打たれ弱い」「人の評価を気にしすぎて本音を言えない」……。企業の採用担当者や、新入社員の教育担当の人からよく聞く言葉。こうした企業内のジェネレーションギャップは日本だけの問題でもないようです。

 先日、あるセミナーで聞いたことですが、グローバルに事業展開しているジョンソン・コントロールズという企業が、米国、英国、中国、インド、4カ国、約5000人を対象に仕事観についてアンケートを実施しました。それによると、ジェネレーションY(18歳から25歳。以下Y世代)の人々が、会社を選ぶ基準のベスト3は、「学ぶ機会が多いかどうか」、「自分にとって意味のある仕事かどうか」、「QOL(クオリティオブライフ)が高いかどうか」で、仕事人間の多いベビーブーマー世代やベテラン世代とは大きく異なったそうです。他にも、ネットやメールのコミュニケーションに抵抗がない、束縛されずにモバイルで自由に働きたいなど、Y世代と旧来の世代との価値観のギャップが明らかになったそうです。
 企業にはこれからY世代の人たちがどんどん入社してくるわけで、それらの世代と、X世代(26歳?35歳)、ベビーブーマー世代(36?45歳)、ベテラン世代(46歳?)という価値観の異なる4世代がどう共存するかが、オフィスの研究家の間で課題となっているのだそうです。
 印象的だったのは、そのセミナーのプレゼンターが、異星人のような若い世代を「どう叩き直すか」ではなく、彼らと「どう共存するか」=そのままの彼らをどう受け入れるかが大切だと締めくくったことです。

 その後別の勉強会で、西山経営研究所の西山昭彦先生から「性弱説」という面白い造語をお聞きしました。性善説、性悪説、に対しての「性弱説」です。今どきの若い世代は、打たれ弱い、コミュニケーション力が弱い、つまり、本来弱いものである、という前提で、受け入れる企業側が体制を整えていかなければならないということをおっしゃったのです。
 先のプレゼンターと同じく、「今どきの若いものは……」と目くじらを立てるのとは正反対の方向性です。

 ことは、世代間の問題だけではない、と思いました。グローバル化の時代、国籍も、宗教も文化も異なる人たちが普通にオフィスや学校で机を並べる日は、既に現実のものとなりつつあります。いちいち、自分たちと違うといって排除しているわけにはいきません。違いを認める。最初から違っててあたりまえだと思って、社会のシステムや習慣をそれに合わせる。私たちも心の壁を取り払う。そういうことが、これからは大事なのかも知れません。
 そのためには、教育現場からの変革も不可欠です。新学習指導要領で、小学校の外国語活動がスタートしますが、その主目的は、「異文化理解」と「コミュニケーション力の向上」です(語学力ではないことがポイント)。
 なにかと批判の対象となる教育施策ですが、その点に関しては、もしかして評価してもいいのかも、とちょっと期待している私です。

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