いしぷろ日記

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小人の鼻とパンと本と。

 食バンを食べるとき、いつも思い出すおとぎ話がある。

 「世界少年少女児童文学全集」のたぐいに収録されていた「小人の鼻」という短い話で、魔女に魔法にかけられ、醜い小人にされてしまう、ハンスとかそんな名まえの男の子が主人公。

 ハンスは、魔女の家で召使としてこき使われるのだが、その魔女の主食がなんと、空気中にただようホコリでできたパン。

 なぜなら魔女には歯が一本もなく、堅いものが食べられない。だから、魔女が世の中で一番軽いと信じているホコリを集めてパンにするのである。

 子ども心に、そんなもので本当にパンができるんだろうかと本気で心配し、一生懸命その、ホコリでできたパンを想像した。それはきっと半透明の食パン。頭に浮かんだその映像とともに、「小人の鼻」のここのシーンだけがすごく印象に残っている。
 私が子どもの頃、主食にするパンといえば食バンだから、食パンの形が思い浮かんだのだが、本当は、黒パンとかバケットのたぐいだったのかもしれない。

 それはともかく、ハンスとやらは、魔女の家を抜け出しても、その醜い姿のために誰にも相手にされない。ただ、魔女の家で厳しく料理を仕込まれたおかげで、とあるレストランにコックとして雇われる。最初はなんて醜い小人だとうとまれるのだが、めきめきと才能を発揮し、料理長に上り詰める。
 ある日、とっても大事なお客様がレストランに来ることになり、ハンスが今まで作ったこともないような料理を作らなければならなくなった。詳しくは覚えていないが、できなければ首をはねられるとか、かなり切羽詰まった状況に追い込まれる。その料理には、ある香草が必要で、それを見つけること自体が最大の難関。ガチョウだかアヒルだかの力も借りて、なんとか香草を見つけ、くんくんとその匂いを嗅いだとたん、魔法が解けて、ハンスはりっぱな若者にもどった、という話だったと記憶している。
 なかなか不気味で、でもわくわくする話だった。挿し絵がほとんどなく、ちっちゃい文字がびっしり並んでいる本だったが、どきどきわくわくして読んだことを覚えている。

 今の子は、うちの子もそうだが本を読むことがほとんどないのではないだろうか。
 アニメやゲームのほうが楽しいんだろうね。でも、私は、ひたすら文字を追いながら、頭の中でお話の状況をあれこれ想像するのが好きで、今でも休日の最大の楽しみは、読書だ。何にもすることがなくても、だらだらTVを観るくらいなら絶対本を読む。目に入ってくる情報は、文字だけなのだが、頭の中はすっごい妄想でパンパンになっている。
 本を読まなくなったら、この能力は絶対に衰えるんではないだろうか。
 映画も大好きだが、読書の楽しさは全く別物として、絶対になくてはならないものだと思う。

 何度も書いたことだが、私は子どもたちに毎晩読み聞かせをしてきた。
 絵本だけでなく、文字ばっかりのお話を読むこともあった。
そのとき子どもたちの目はランランと天井の一点を見つめていて、彼らなりに必死で創造力を働かせて、耳から入ってくるお話の世界を思い浮かべているのが伝わってきたものだ。
 
 彼らにとって、それが読書の楽しみの原点であって欲しいと思うが、3人のうち、本の虫と言っていいほどの本好きは長女のみである。
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